「海上釣り堀は安全が確保されているから、ライフジャケットなんていらないでしょ?」と思っている方もいるかもしれません。
たしかに、海上釣り堀は安全第一で運営・管理されており、小さなお子さん連れのファミリーでも手軽に釣りを楽しめます。
とはいえ、自然のなかでは何が起こるかわかりませんし、とくに小さなお子さんはときに、大人には考えられる突拍子もない行動に出る場合も。
また、ライフジャケットを義務づけている施設があるほか、渡船で沖のイケスに移動する際は着用しなければなりません。
そこで今回は、¥海上釣り堀に適したライフジャケットを紹介。
あわせて選び方も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
海上釣り堀にライフジャケットは必要?
ライフジャケットとは、ライフベストや救命胴衣とも呼ばれる水辺の安全装備品です。
海上釣り堀で万一落水した際に体が浮いて、溺れてしまう事故を防ぎます。
海上釣り堀では着用を義務づけているケースがあるほか、沖上のイケスまで船で移動する場合にはライフジャケットを着用しなければなりません。
原則として、モーターボート・水上オートバイ・漁船など、操船に小型船舶操縦士免許が必要なすべての小型船舶が、ライフジャケットの着用義務の対象となります。
ライフジャケットを着用していると、落水の際にライフジャケット未着用と比べて生存率が約3倍上がるとされており、仮に施設内で義務づけられていなくても着用しましょう。
レンタルではダメなの?
海上釣り堀では、ライフジャケットをレンタルできるのが一般的です。
ただし、上半身を覆うベストタイプがほとんどであり、快適な装着感は得られません。
また、多くの方に使い回されて、見た目にボロボロな場合も。
耐久性に不安を感じるほか、写真映えもよくありません。
気分よく釣りを楽しみたいなら、自分用のライフジャケットを用意しておくのがオススメです。
子どもにライフジャケットは必要?
子どもはときに、予想のつかない行動をとる場合があり、仮に不要な場合でも着用するのがオススメです。
ただし、体型に合ったライフジャケットを用意しないと、十分に機能を発揮しない場合も。
子どもに大人用のライフジャケットを着用させると、水中で脱げてしまう恐れがあります。
子ども用のライフジャケットも発売されているので、チェックしておきましょう。
海上釣り堀のライフジャケット 選び方6つのポイント
ライフジャケットは釣り以外にも使用されており、さまざまなタイプが発売されています。
また、釣りのジャンルによっても向き不向きがあり、海上釣り堀に適したタイプを選ぶのが重要です。
海上釣り堀で使用するライフジャケットを選ぶ際に押さえておきたいポイントは、以下の6つです。
- 種類をチェック
- 膨張タイプをチェック
- 区分タイプをチェック
- 国土交通省型式承認モデルかチェック
- 体格に合っているかをチェック
- 安心して装着できる信頼性をチェック
では、それぞれ解説していきましょう。
種類をチェック
ひとくちにライフジャケットといっても、種類があります。
海上釣り堀で使いやすく、自分が快適に装着しやすいタイプを選びましょう。
フローティングベストタイプ
救命胴衣として古くから使用されているのが、フローティングベストタイプのライフジャケットです。
浮力体を内蔵しており、バックルで固定。
股部を固定するベルトを備えており、体型に合わせて調節できるようになっています。
装着時から浮力を確保できるタイプであり、しっかり着用していれば必ず機能するのがポイント。
特別な操作も必要なく、子ども用に多く採用されています。
ただし、厚みのある浮力体によって、窮屈さを感じやすいのがデメリット。
なかには、肩を動かしやすく工夫をこらしたタイプも発売されています。
さまざまなポケットや機能を備えたフローティングベストタイプも発売されていますが、基本的にオカッパリやウエーディング用です。
海上釣り堀においては、子ども用と考えて差し支えありません。
肩掛け(サスペンダー)タイプ
フローティングベストタイプと比べて、コンパクトで動きやすいのが肩掛けタイプのライフジャケットです。
膨張式の浮力体を内蔵しており、落水すると膨らんで体が浮かぶようになっています。
フローティングベストタイプよりもコンパクトなものの、腰巻きタイプと比較して肩や首回りを圧迫しやすいのがデメリット。
アクティブに動き回る釣りよりも、腰掛けたまま楽しむ船釣りなどに適しています。
体との接地面が多く安心感があり、動きやすさよりも安全性を重視したい方にオススメのタイプです。
ウエストタイプ
ウエストポーチのように、腰に巻くタイプのライフジャケットです。
釣りの最中に邪魔になりにくく、機動性を重視したい方に適しています。
落水すると、膨らんで浮き輪のように上半身を浮かすのが特徴。
フローティングベストタイプと比べて目立ちにくく、ファッションとの相性が気になる方にオススメです。
ただし、フローティングベストタイプや肩掛けタイプと異なり、落水した際には自分でバランスを取る必要があるのがデメリット。
慣れていないと慌ててパニックになる心配もあり、体力や泳ぎに自信のある方に向いています。
膨張タイプをチェック
浮力体を内蔵しているのではく、ガスでふくらむのが膨張式のライフジャケットです。
膨張式には自動膨張式と手動膨張式があり、それぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
自動膨張式
水を感知して自動でふくらむのが、自動膨張式のライフジャケットです。
とくに操作する必要がなく、慣れていない方でも安心して使えます。
ただし、内部が空洞でぶつけると破損しやすいのがデメリット。
船釣りでは、へりや手すりにぶつけてしま恐れがあり不向きです。
また、濡れると誤作動でふくらむ場合があり、一度ふくらんだらガスボンベを交換しなければなりません。
釣り具メーカーのモデルにおいては、万一自動で作動しない事態に備えて手動でも使用できる2方式タイプを採用しているのが一般的です。
手動膨張式
手動膨張式のライフジャケットは、自分でヒモを引っ張ってガスを注入するタイプです。
ヒモを引かない限りふくらまず、誤作動を防げて無駄なメンテナンス費用も抑えられます。
ただし、落水でパニックになってヒモを引けない可能性がゼロではなく、心配な方や子どもには不向きです。
区分タイプをチェック
ライフジャケットには、小型船舶用・作業用・防災用など種類があります。
海上釣り堀で着用するなら、船釣りに対応した小型船舶用として認定されているライフジャケットがオススメです。
国土交通省では、用途や船のサイズ、航行区域によって「TypeA~G」まで細かく区分を分類しています。
釣り用として用意する場合は、すべての航行区域に対応している「Type A」のライフジャケットを選べば問題ありません。
国土交通省型式承認モデルかをチェック
国土交通省の厳しい基準をクリアして、承認を受けたライフジャケットである証が「桜マーク」です。
平成30年2月からの改正により、小型船舶の乗船者は桜マーク付きライフジャケットの着用が義務づけられています。
桜マークのないライフジャケットの場合、浮力が不足しているなど安全性に問題があるケースも。
いざというときに役立つよう、「桜マーク」付きで安心して着用できるライフジャケットを選びましょう。
体格に合っているかをチェック
体格に合わないライフジャケットを購入してしまうと、腕を動かしにくかったり、落水した際に抜けやすかったりと不具合が発生します。
ウエストサイズの対応範囲や調節幅など、体格に適合しているのかをチェックしておきましょう。
くわえて、ライフジャケットの浮力も要チェックです。
国では、ライフジャケットについて「7.5kgの鉄を24時間以上浮かせられること」と、法定浮力を定めています。
とくに、無名ブランドのライフジャケットや安価な海外製品など、浮力が明確でない製品には注意が必要です。
また、子ども用のライフジャケットについては、体重に応じて以下の安全基準が設けられています。
- 体重40kg以上=浮力7.5 kg以上
- 体重15kg以上40kg未満=浮力5 kg以上
- 体重15kg未満=浮力4 kg以上
安心して装着できる信頼性をチェック
海上釣り堀で着用するライフジャケットを選ぶなら、一流釣り具メーカーのモデルがオススメです。
上記で説明した基準を間違いなくクリアしており、安心して使用できます。
また、快適に着用できる、さまざまな工夫をこらしているのも魅力です。
ただし、無名ブランドや安価な海外製品と比較すると、高価格なのがデメリット。
とはいえ、安全をお金と天秤に掛けることはできません。
安全に釣りを楽しむ必要なコストと考えて、信頼性の高いメーカーのライフジャケットを購入しましょう。
海上釣り堀にオススメのライフジャケット21選
では、ライフジャケットの選び方がわかったところで、オススメモデルを見てきましょう。
釣り具メーカーからさまざまなライフジャケットが発売されていますが、海上釣り堀に適したモデルにフォーカスして紹介します。
種類別に分けてピックアップしましたので、気になるモデルをチェックしてみてください。
すべて、国土交通省型式承認品(小型船舶用救命胴衣TYPE-A)のライフジャケットです。
肩掛け(サスペンダー)タイプ
ダイワ(DAIWA) ウォッシャブルライフジャケット DF-2021
ロッド操作のストレスを軽減する「センターバランス機構」採用のライフジャケットです。
ロッド操作時に内袖側とライフジャケットが干渉するの防ぎ、快適な装着感を実現しています。
身長に合わせて調整できる、背面アジャスト機能を搭載しているのもオススメポイント。
脇ベルトアジャストにより、脱ぎ履きも楽々です。
ダイワ(DAIWA) インフレータブルライフジャケット DF-2608
ベーシックタイプの膨脹式ライフジャケットです。
首にフィットする立体裁断設計により、快適な着心地を実現しています。
動きやすくゴワツキによる不快感も軽減しており、動きやすい肩掛けタイプを探している方にオススメです。
ダイワ(DAIWA) チャイルドライフジャケット DF-2822
肩掛けタイプの子ども用ライフジャケットです。
調整幅を大きく設けており、子どもの成長に合わせてフィット感を調節できます。
Vベルトシステムによって股ベルトの抜けを防止しており、安心して着用可能です。
シマノ(SHIMANO) ラフトエアジャケット VF-051K
気室を取り外しできるライフジャケットです。
そのまま洗濯でき、清潔な状態を保てます。
落水センサーが水分に反応し、自動で膨張するタイプ。
万一に備えて、手動で膨張できる引手も備えています。
プロックス(Prox) 自動膨脹式ライフジャケット検定品 PX030
ボンベの重みで左右に傾かない、ファスナー付の膨脹式ライフジャケットです。
水を感知して自動的に炭酸ガスで膨脹するほか、手動でも作動します。
インジケーターの状態を一目で確認できる、ウィンドウを搭載しているのもオススメポイントです。
ブルーストーム(Bluestorm) ライフジャケット モーゲット BSJ-8320RS2
耐摩耗性に優れたコーデュラ生地と、防水性の高いターポリン生地を採用したライフジャケットです。
コンパクトなモデルで、さまざまな体型にフィットしやすいのが特徴。
男性はもちろん、女性にもオススメのモデルです。
ブルーストーム(Bluestorm) ソバー BSJ-2920RSII
同社のサスペンダーシリーズ中、もっとも細い形状のライフジャケットです。
体に触れる面積を減らしており、夏でも涼しく過ごせます。
腕を動かしやすく、快適なロッドワークを長時間サポートするオススメモデルです。
マズメ(MAZUME) インフレータブルサスペンダー MZLJ-261
自動膨張式の肩掛けタイプライフジャケットです。
世界トップクラスの性能を誇る「ハルキロバート社」製の安全膨張装置を搭載しています。
ウエストベルトタイプ
ダイワ(DAIWA) インフレータブルライフジャケット DF-2222
レールシステムの採用により、コンパクト化を実現しているライフジャケットです。
腰ベルトの耐久性がアップしており、安心して装着できます。
ボンベとカートリッジの装着状態を一目で確認できる、ダブルインジケーターを搭載しているのもオススメポイント。
立体裁断設計によって、幅広いウエストラインにフィットします。
ダイワ(DAIWA) インフレータブルライフジャケット DF-2709
基本性能の充実した膨脹式ライフジャケットです。
軽量・スリムタイプで、腰周りにしっかりフィットする立体裁断設計を採用しています。
ダイワ(DAIWA) SALTIGAインフレータブルライフジャケット DF-2120
ファイティングパッド標準装備した、ハイスペックなライフジャケットです。
高い負荷が掛かってもファイトに集中しやすく、海上釣り堀で大物ゲットをサポートします。
カバーにベルクロではなく、YKK製クイックバーストを採用しているのもポイント。
擦れに強いコーデュラ生地を採用しており、安心して装着できるオススメモデルです。
ダイワ(DAIWA) コンパクトライフジャケット DF-2220
レールシステムを搭載した、ウエストベルトタイプのライフジャケットです。
軽量コンパクトながら、落水の際にはベルトに沿ってしっかりと気室が膨脹します。
シマノ(SHIMANO) ラフトエアジャケット VF-053U
従来モデルと比較して、外カバーサイズを約40%コンパクト化したライフジャケットです。
ウエスト幅70〜100cmと余裕があり、真冬に防寒着の上からでも装着しやすくなっています。
プロックス(Prox) 自動膨脹式救命器具ウエストタイプ検定品 PX032
水を感知すると、自動的に炭酸ガスで膨脹するライフジャケットです。
万が一膨らまない場合は、手動でヒモを引けば膨張します。
インジケーターを搭載し、ボンベの状態をひと目で確認できるのもオススメポイント。
反射パイピング・補助送気管・ホイッスルを備えています。
ブルーストーム(Bluestorm) ティバノウエスト BSJ-5620RS2
海上釣り堀はもちろん、さまざまな釣りで使いやすいウエストベルトタイプのライフジャケットです。
ブルーストーム(Bluestorm) ソバーウエスト BSJ-5920RSⅡ
膨脹式ウエストベルトタイプライフジャケットのエントリーモデルです。
細いスティック形状で、長時間快適に装着しやすいモデルを探している方に適しています。
マズメ(MAZUME) インフレータブルウエスト MZLJ-262
ハルキロバート社のカット装置を搭載した、自動膨張式ライフジャケットです。
サイドに、プライヤーケースなど小物を収納可能。
ファイテイングパットを装着しやすく設計しており、海上釣り堀用としてオススメです。
フローティングベストタイプ
ダイワ(DAIWA) チャイルドフローティングベスト DF-3921
子ども用のライフジャケットです。
調整幅を大きく取っており、子どもの成長に合わせてフィット感を調節できます。
シマノ(SHIMANO) キッズボートベスト VF-099V
調整や脱着の簡単なフロントバックルを備えた、子ども用ライフジャケットです。
肩部の2カ所に反射材を設けています。
万一の事態を想定し、ホイッスルが付属しているのもオススメポイントです。
プロックス(Prox) 小型船舶用救命胴衣(型式認定)子供用 TK13B2S
国土交通省の厳しい基準をクリアしている、子ども用ライフジャケットです。
SとMの2サイズを用意しています。
ブルーストーム(Bluestorm) ライフジャケット ヒューペ BSJ-212Y
バックルを留めてベルトを締めるだけと、簡単に装着できる子ども用ライフジャケットです。
調整幅が大きく、子どもの早い成長に対応します。
\もっとライフジャケットを見たい方はコチラ/
ライフジャケットは正しく装着しよう
海上釣り堀用にライフジャケットを選ぶ際は、無名ブランドの安価すぎるモデルではなく、信頼性の高さをチェックするのが重要です。
また、正しく装着することも大切。
せっかく高性能なライフジャケットを購入しても、落水時に脱げてしまっては意味がありません。
とくに、子ども用のライフジャケットに備えてある股ヒモは必ず装着しましょう。
装着していないと落水時のいきおいで、簡単にすっぽ抜けて脱げてしまうケースがあります。
大人でも窮屈だからと緩く装着していると、脱げる場合があるので注意してください。
海上釣り堀ではライフジャケットをしっかり着用して、万全な体制で釣りを楽しみましょう。